2010年度の活動記録

(1)朝鮮総督府法院記録の現存状況を調査するため、韓国・最高法院記録保存所、同図書館、国家記録院、ソウル大学校法科大学図書館などを訪問し、朝鮮独立運動治安維持法違反事件の判決書謄本等を蒐集した。

(2)韓国法制史学会Choe, Byoung Jo会長(ソウル国立大学校)を訪問し、学術交流についての懇談を行った。

(3)台湾法務部司法官訓練所が保管する日本統治時代の刑事判決原本のうち、昭和期23冊3,661件を目録に採録した。これにより、278冊 29,642件の採録を終えたことになる。

(4)「宮内季子文書資料」の写真など78点の整理を行った。

(5)「帝国と植民地法制」研究会を2回開催した。7月に第3回「帝国と植民地法制」研究会(2010年7月10日・早稲田大学)を開催し、報告者・報告題目は、①浅古弘「東アジアに於ける記録管理法の比較-韓国・中国・台湾-」、②中網栄美子「19世紀末韓国で行われた日本の領事裁判に関する実例報告」であった。また、9月には第4回「帝国と植民地法制」研究会(2010年9月7日・熊本大学)を開催し、報告者・報告題目は、①岡本真希子「朝鮮総督府官僚の任用制度と俸給制度-朝鮮・台湾・本国、交錯する法域と民族-」、②山中至「謀殺と故殺の区別について-台湾司法官訓練所所蔵刑事裁判記録を素材として-」であった。